晴野まゆみ出版社と編集長との戦い!日本初のセクハラ裁判!

事故・事件簿
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1980年代後半、現在よりコンプライアンス意識がとても低かった時代。

まだセクシャルラスメントトいう言葉も浸透していなかった時代です。

今回は日本初のセクハラ裁判で全面勝訴を勝ち取り歴史を変えた晴野まゆみさんについて調査します。

晴野まゆみって何者?

プロフィール
  • 名前:晴野まゆみ
  • 生年月日:1957年8月
  • 出身地:東京都大田区
  • 職業:株式会社チームふらっと代表取締役

晴野さんは1957年に東京都で生まれました。

1971年には福岡県福岡市へ転居しています。

福岡で学生時代を過ごし高校はカトリック系の福岡雙葉高等学校へ進学。

その後西南学院大学文学部外国語学科英語専攻に進学しました。

大学卒業後はイベントプロモーターの会社を経て、

大学生向け情報誌などを編集する「福岡q企画」という出版社に入社します。

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編集長からのセクハラ

子供の頃から文章を書くのが好きだった晴野さん。

憧れの職業につき張り切っていたそうです。

しかし当時30代だった編集長からハラスメントを受けるようになります。

初めは性的なことではなくお酒好きの晴野さんに

『昨日も遊んだのか』

とか手作り弁当を見て

『君でもお弁当を作るのか』

などの言葉を投げかけられたそうです。

気にしないようにしていた晴野さんですが、

発言はどんどんエスカレートしていきました。

周りの社員に

『晴野さんは夜お盛んだ』

などと根も葉もない噂を流布するようになったそうです。

ここでも晴野さんは仕事に集中したかったので気にしないようにしていました。

しかし晴野さんの中で許し難い発言が出ます。

それは晴野さんが卵巣腫瘍を患い手術することになった時の言葉でした。

「実は晴野が入院するんですよ。

あれですよあれ。女のあれです。アッチの病気。

まぁ、夜がお盛んだから、アッチが疲れちゃったというか」

耳を疑ったそうです。

これを社内や取引先にも言いふらしたそうで晴野さんは自分でも知らないうちに「ふしだらな女」というレッテルを貼られてしまいました。

直接編集長に意見した晴野さんでしたが改善さませんでした。

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出版社の対応

追い詰められた晴野さんは編集長よりも上役の専務に相談に行きました。

編集長が呼び出されこれで解決するものだと思いきや、

会社の結論は「編集長3日間の停職」「晴野さんクビ」

理由は編集長に言いたいことを言った晴野さんが職場にいると職場の空気が悪くなるから。

今なら絶対あり得ない理由ですよね。

さらに専務は辞める晴野さんに

『晴野君は確かに仕事はできる。

よく頑張っている。でも、男を立てることを知らない。

だから、次の職場に行ったときに、

まずは男を立てることを覚えろ』

と言い放ったんだそうです。現代なら大炎上案件です。

戦いは司法の場へ

どうしても納得できない晴野さんは司法に訴えました。

民事調停を申し出たのです。

ここでも調停員からこんな言葉を投げられます。

「こんなことで訴えるなんて聞いたことがない」

「性的噂をたてられるうちが花ですよ」

諦めかけた時「女性専門の法律事務所」賀あることを新聞で知りました。

ダメ元でそこを尋ねたことが大きな転機になりました。

そこで出会ったのが弁護士の辻元育子さん

辻元先生の戦術はこうでした。

会社側は『女は仕事を辞めても結婚がある。男はそうはいかない』

と、晴野さんが『女であること』を理由に解雇しました。

そこを攻めるのです。

日本国憲法第14条「全ての国民は性別により差別されない」

会社の男女差別や、編集長の性的いやがらせは、この日本国憲法に反するのではないかと。

裁判には証拠の録音などもありませんでした。

しかし、当時アルバイトをしていた大学生の女性たちが編集長の発言を証言してくれたそうです。

すごく心強かったと晴野さんは言っていました。

日本初のセクハラ裁判ということで全国から注目が集まりました。

週刊誌等も賛否両論あり裁判の行方はどうなるかわかりませんでした。

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判決

「主文。被告および、被告株式会社は、原告に対し、連帯して金165万円(中略)を支払え」

判決文
「働く女性にとって、異性関係や性的関係をめぐる私生活上の性向についての噂や悪評を流布されることは、その職場において異端視され、精神的負担となり、心情の不安定ひいては勤労意欲の低下をもたらし

(中略)

原告は生きがいを感じて打ち込んでいた職場を失ったこと、

(中略)

その違法性は軽視しうるものではなく、原告が被告らの行為により被った精神的苦痛は相当なものであったとうかがわれる」

「会社の行為についても、男女を平等に取り扱うべきであるにもかかわらず、主として女性である原告の譲歩、犠牲において職場関係を調整しようとした点において、不法行為性が認められるから、被告会社はこの不法行為についても、使用者責任を負うものというべきである」

川本隆裁判長

今回の判決は会社の使用責任を認めたことが何より画期的でした。

会社の責任を問わないとどんなハラスメントもなくなりません。

この判決から30数年ハラスメントに対する考え方も随分変わってきたんじゃないでしょうか。

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まとめ

今回は日本初のセクハラ裁判で全面勝訴を勝ち取り歴史を変えた晴野まゆみさんについて調査しました。

今の時代、なんでもハラスメントで窮屈だと思う人もいるかもしれません。

でもそれが一人一人の人権を守っていくことにつながっていくと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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