2024年7月27日に行われたパリ五輪男子柔道60kg級の準々決勝。
永山竜樹とガリゴスの試合で世紀の大誤審といわれる判定があり話題になっています。
裁いたのはエリザベス・ゴンザレス審判。世界中が注目する中での大誤審であり審判団からも誤審を認める発言がありました。
今回は、エリザベス・ゴンザレス審判の経歴や柔道歴について調査します。
エリザベス・ゴンザレス審判
今回オリンピックに参加している審判の中では最年少です。
しかし、柔道の審判を始めたのが18歳の時。
キャリアは18年になり経験は豊富といえそうです。
2022年に国際審判員となりグランドスラム大会や世界選手権などの国際大会で審判を務めています。
自身の柔道歴は高校生から始め実績はほとんどないんだとか。
誤審といわれる判定は
エリザベスさんは2024年7月27日の柔道男子60kg級準々決勝で審判を務めました。
試合の経緯
日本の永山竜樹選手とスペインのフランシスコ・ガリゴス選手との試合。
締め技に入ったガリゴス選手。
必死に永山選手が堪える中、こう着状態となり主審の「待て」の合図。
柔道のルールではこう着状態が3秒以上続く場合は「待て」がかかるそうです。
しかし「待て」の合図後もガリゴス選手が約6秒間も絞め続けました。
エリザベス主審はその間二人の顔を覗き込むだけで特にアクションを起こしませんでした。
そして開始線に戻ったところでガリゴスの一本勝ちと判定しました。
待てがかかってからも絞め続けているように見えましたね。
またエリザベス主審も待ての後は強く止めに行かなかったです。
日本チームの審判団への抗議
柔道男子日本代表の鈴木桂治監督が審判団に説明を求めました。
審判団:「まず落ちてたよね」
鈴木監督:「あの時間のトータルでみたら、落ちてたと思う」
審判団:「だよねw」
鈴木監督:「僕らが言ってるのは落ちたか落ちてないかではなく、『待て』と言われた後の6秒間に絞め続けることが柔道精神に則ってますか?」
「今、国際柔道連盟は怪我とか柔道精神みたいなものをすごく厳しくとっているのに。」
審判団:「エリザベスが『待て』をしたのは誤りで、継続すべきだった」
最後は審判団から誤審があったとも取れる発言があったそう。
しかし、公式記録では「片手絞め」でガリゴスの勝利となっています。
ガリゴスの行為が柔道精神に反しているのではとの指摘については、審判サイドからの回答はないそうです。
過去の誤審
世界選手権ドーハ大会
エリザベス・ゴンザレスさんは世界選手権ドーハ大会での高藤直寿VSガリゴス戦でも審判務めています。
その時もガリゴスが立ち関節技気味に危ない技をかけているのにガリゴスを勝ちにした誤審とも取れる判定がありました。
投げる前に肘を決めているように見えますね。
わざとではないんでしょうが選手のためにも危ない技はきちんと裁いてほしいです。
奇遇にもこの時も対戦相手はカリゴス選手なんですね。
シドニーオリンピック
世紀の大誤審といって忘れてはならないのが、2000年に開催されたシドニーオリンピック男子100kg超級決勝です。
フランスのダビド・ドゥイエ選手対篠原信一選手。
ドゥイエ選手の内股を見事な内股透かしで切り返したように見えました。
一本を取ったと確信した篠原選手はガッツポーズ。
しかし主審と副審の判定は有効。
しかもドゥイエ選手の内股に対する有効でした。
ドゥイエ選手が内股を仕掛けにいきます。
ここで篠原選手がうまく内股をすかしているように見えます。
そして相手は完全に背中から畳に落ちていますよね。
気になる方はYouTubeで検索してみてください。
試合後の記者会見で「判定に対する不満はないか」と聞かれた篠原選手。
そこであの名言が生まれます
「審判もドゥイエも悪くない。誤審?全て自分が弱いから負けたんです」
潔い。
まとめ
今回の件で一番疑問に思うのは自分で「待て」をかけた主審が「待て」の後に行われた事象について「一本」を宣言していることです。
隣の会場でも同時に試合が進行しているので、選手に審判の指示が聞こえなかった。
ということはあるかも知れません。
しかし、審判は自分で「待て」と言っているのですからその後の不可解な判定は批判されても仕方がないのかなとは思います。
永山選手は今回疑惑の判定で気持ちを立て直すのも非常に困難だったと思います。
その中で敗者復活戦、銅メダルマッチと投げ技で勝ち抜いた永山選手の精神的な強さにはただただ脱帽です。
国際大会ではいろんな国の選手、いろんな国の審判がいます。
日本国内の常識良識に照らし合わせて判断していると今回のように落とし穴があるのかもしれません。
日本の常識が世界の常識ではないということですね。